モチベーションが高いか否かは、各々の生産性に大きく影響します。管理職向けのビジネスセミナーでは、必ずと言っていいほど、上司と部下の関係の中で称賛や叱責を通してモチベーションをマネジメントすることを学びます。このモチベーションとはなんでしょう?
モチベーションとは「やる気」であり、人が行動する際のきっかけのこと。モチベーションには、外発的動機付けと内発的動機付けがあります。外発的動機付けはわかりやすいです。「売上の〇%をボーナスとして支払う」といった報酬など。ただし、効果は一時的なものとなることが多いです。多額のボーナスをもらった直後に退職してしまう人もいますよね。一方、内発的動機付けは、興味とか関心などといった外部からはわかりにくいものです。自分自身が本当の興味・関心に気づいていない可能性もあります。内発的動機付けはうまく機能すれば、自己成長につながるとされています。
モチベーションに関する研究は古くから数多くあります。「なるほど!」と納得するものもあるのではないでしょうか。
『二要因理論』(ハーズバーグ)
・動機付け要因と衛生要因がある。
・動機付け要因は、仕事の達成感・職場での評価・業務の満足感・やりがいなどで、満たされることで満足感につながる。
・衛生要因は、給与・福利厚生・対人関係といった労働条件などで、不満足感の解消につながるもの。満足感にはつながらない。
・モチベーションをあげるためには、衛生要因を解消したうえで、動機付け要因を与える。
『欲求段階説』(マズロー)
・人間の欲求は5段階に構成されている。
・低次の欲求が満たされると、高次の欲求を欲する。
・生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→自尊欲求(承認欲求)→自己実現欲求
・これらの欲求が同時に存在することがあると提唱したのは、アルダファーの『ERGモデル』。
『目標設定理論』(ロック、レイサム)
・動機付けは設定された目標によってなされる。
・「目標の困難度」「目標の具体性」「目標の受容」「フィードバック」
『欲求理論』(マクレランド)
・職場における動機は、達成欲求・権力欲求・親和欲求によってもたらされる。
・達成欲求:目標や基準を達成しようと努力する欲求
・権力欲求:他者に影響を与えコントロールしようとする欲求
・親和欲求:他者と有効な関係を築きたいとする欲求
『職務特性理論』(ハックマン、オールダム)
・モチベーションの要因が職務特性にあるとする理論。
・5つの特性を満たすことによりモチベーションが引き出される。
・「技能多様性」「タスク完結性」「タスク重要性」「自律性」「フィードバック」
・自分の持つ多様な能力を活かし、自分の裁量で一貫して関わることができるか否かが重要。
・仕事そのものが重要視されていて、手ごたえ(フィードバック)を得られるか否かも重要。
『X理論・Y理論』(マグレガー)
・X理論における人間の持つ特性とは、人間は働くことよりも、働かないことを望むというもの。
・Y理論における人間の持つ特性とは、人間はみな働くことを望んでいるというもの。
・マクレガー自身は、Y理論に基づいて管理すべきと提唱している。