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    Categories: 人事部雑感

事前通告なしの転勤辞令はアリ?!

新年度入り、ゴールデンウィークと、各社が人事異動を行う節目が過ぎました。このタイミングで転居を伴う人事異動を通達された人も多いのではないでしょうか。新入社員については、4月いっぱいが本社での研修、ゴールデンウィーク明けに本配属というスケジュールで動いている会社は多く、「今日から、がんばるぞ!」という声も聞こえてきています。

さて、この時期話題になるのが、「事前通知なしの転居を伴う転勤辞令は有効なのか」というものです。

結論を言えば、「まったく問題ない」ということになります。違法ではありません。多くの場合、労働者は入社時に会社と結んだ労働契約(就業規則)に「転勤を命ずる場合がある」と明記してあります。ですので、転勤辞令については、もし従わなかったとすると従わなかった従業員側が懲戒処分の対象となる可能性すらあります。

もっとも、全社朝礼や全社通達で全従業員が一斉に知るタイミングで、転勤対象者自身がその事実を知るというのはレアケースです。一般的には、全従業員が知るタイミングより1週間以上前に、上司からその旨が告げられることが多いでしょう(内示)。

労働組合が強い会社では、就業規則のなかで「転居を伴う異動の場合は、事前に当該従業員に確認する(もしくは、労働組合に通知する)」という項目がある場合もあります。この場合は、必ず上司から告げられることとなります。「親族の介護」等、転勤することによって著しく不利益を被る場合は、この内示の段階で会社側と水面下で交渉することになるでしょう。

内示があるのはあくまで一般的な事例。もし、あなたが入社した会社が、内示なしで転勤辞令を出す文化だとしたらどうしますか?!

こうした文化は入社してからでないとわかりません。現に私のクライアントでも、「いきなり転勤辞令」文化の会社は何社もあります。そのなかでは、「転勤辞令を出したら、退職してしまって困っている」(人事部長)という話も耳にします。最近では、転職市場が活発になっており、転職サイトに登録する、もしくは転職エージェントに依頼すると比較的早期に転職先が見つかるケースも珍しくありません。

「いきなり転職辞令」で貴重な人材を失ってしまっては、会社として非常に勿体ないことです。人事部長には、「思いやりですよ」と都度、お伝えしています。

転勤がある会社に入社した以上、誰もが転勤を覚悟しているはずです。

ただし、「今だけは無理」という時期が誰にでもあると思います。それは、「結婚する予定がある」とか「子供がかわいい」とか、個人的な利己的な理由かもしれません。ただ、その個人的な事情まで情報収集し、できるだけくみ取ろうとする上司、経営者も少なからずいます。

 

みなさまの会社はいかがでしょうか?
会社には転勤させる権利があります。従業員には転職する権利があります。

 

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mio.kawana :