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反社会的勢力データベースは現実的ではない?!

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2011年10月1日に東京都で「東京都暴力団排除条例」が施行され、暴力団との取引自体が問題になったことをはじめ、2012年10月30日には組員が不当な要求をすれば直ちに逮捕できることを定めた「改正暴対法」が施行されるなど、反社排除の気運が高まっています。

2012年の「暴排条例」施行後、反社会的勢力との取引中止は銀行も例外ではなく、融資先および預金顧客の調査を迫られました。預金顧客のなかで明らかに暴力団関係者であるとされた人物に対しては、「解約のお願い」を行った例もあります。しかし、銀行はすべての暴力団関係者を把握できるわけではありません。

そこで、全国銀行協会は、2010年4月から同協会内で行っている反社会的勢力の情報共有データベースの構築、会員行へ情報提供の仕組みを強化すべく、警察庁との連携を模索していました。なぜならば、この全銀協データベースは、新聞・官報などの公開情報を元に構築されているデータベースで、余りにも弱かったのです。しかし、警察庁が保有している反社会的勢力データベース(構成員情報)と連携することができれば、アングラマネーを銀行口座から排除することが可能というわけでした。警察庁側も計画に賛同し、2014年度からの連携を目指していました。

しかし、その後、データベース連携計画が延期となったことが判明しています。理由は、その連携にかかる費用負担です。現在、金融機関には3億数千の口座があると言われています。それら一つ一つを照会するシステムや、それに加え、新規の口座開設依頼が来た際にタイムラグなく“シロ・クロ”判断するシステムを構築するには莫大な費用がかかります。「一応、延期という形を取っていますが、事実上中止です」と全銀協関係者は言っていました。一方で、日本証券業協会は2013年度から、警察庁とのデータベース連携をスタートしています。「証券口座は2000万口座台と言われています。監視する口座が多ければその分、費用がかかるのを理解して欲しい。」(全銀協関係者)

また、「自行の口座で数十、数百と反社会的勢力に関連する口座が発見されたら、実際の実務として対応できない」(銀行員)という本音も聞こえてきます。口座解約には、費用も時間も人材も必要であり、しかも業績に関係ない(むしろ、利益のことだけ考えたらマイナス)の業務に対して後ろ向きなのでしょう。

金融機関は、当面、現行のデータベースと都道府県の警察との連携によって暴排を進めることにしています。つまり、当面、銀行口座から反社会的勢力が、本格的に、全面的に、閉め出されることはないということと同義なのかもしれません。





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