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    Categories: 選考面接

新聞を読まない学生の選考担当は“日経新聞必読世代”

日本経済新聞社が5月に公表した「日経新聞電子版の有料会員数」は約54万人、無料登録会員を合わせた会員総数は約350万人でした。2010年3月23日の配信開始から約7年、紙媒体の朝・夕刊掲載記事のほか、電子版オリジナルコンテンツが支持されたとしています。また、「新社会人のほか、就活生が企業情報の収集の手段として有料会員になるケースが増えている」(日経新聞)とのことです。ただし、“電子版が増えている”のですが、“新聞を読む新社会人、就活生”が増えているわけではなさそうです。

ひと昔前、「日経新聞必読」と言われていた時代がありました。通勤鞄のなかに日経新聞が入っていないと先輩や上司に叱責されたこと記憶がある方も多いのではないでしょうか。日経新聞だけではなく、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞・・・・と電車の中では紙の新聞を縦半分に折り、会社に着くまでの時間で知識をインプットすることが当たり前の時代でした。それが今や電車のなかで紙の新聞を読んでいる20代の人を見かけることは少なくなりました。
新入社員研修で受講生に「新聞を読みながら研修会場に来たか」をアンケート調査したことがあるのですが、新聞を読んで来た人は約10%、ネット上のニュースまとめサイトで確認して来た人が約10%でした。80%の人は当日のニュースをインプットせず、研修会場に来ていました。これが現状です。

もちろん、色々な企業にヒアリングすると、どの企業も内定者や新入社員に紙媒体の新聞を読むことを奨励しています。ある企業では「内定を出した学生全員に日経新聞を届けます。費用は会社が出します」という施策を、ある企業では「毎月、内定者研修で会社に呼びますが、その際に過去一か月分の日経新聞の記事を元にしたテストをします」という施策を実施しています。企業側の要望としては、今もまだ「日経新聞必読」です。「日経新聞必読」世代が今の人事部長であり、採用責任者ですから、それも頷けます。

なお、同じ電子版でも朝日新聞社が配信する有料の電子版「朝日新聞デジタル」は苦戦を強いられているようです。「朝日新聞デジタル」は、2011年5月18日に配信を開始したデジタル新聞です。同年7月末まで創刊記念として無料キャンペーンを展開し、「配信開始から3日目で購読申し込みが1万件を突破した」と発表するなど意気揚々の滑り出しをみせていましたが、その後の有料会員数は「日経新聞電子版」に大きく離されています。現在の有料会員数は30万人弱だそうです。「朝日新聞デジタル」は、同社の社用ケータイにアプリをダウンロードし自社の社員に登録させる“社員強制登録キャンペーン”もやっていましたが、日経新聞には追い付かないようです。

さて、学生のみなさん。「日経新聞必読」世代が採用を決めている今の状況。内定を獲得したい場合、何をすればよいかはわかりますよね。

 

mio.kawana :