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    Categories: 雑感

消えゆくガソリンスタンド

ガソリンスタンドが閉鎖されることはもはや珍しいことではありません。このままのペースでガソリンスタンドが閉鎖していけば、生活必需品であるはずのガソリンを購入することが困難になるドライバーが出てくる可能性すらあります。

民間信用調査会社帝国データバンク(港区)によりますと2015年度のガソリンスタンド経営業者の倒産は35件発生しているとのことです。これは前年度(41件)を下回り、倒産全体の減少トレンドと同様のトレンドになっています。また、2015年度には135件の休廃業・解散が発生しているようです。
自動車保有台数が前年同月比で減少に転じ、さらに原油価格が高騰した2007年度から倒産は高水準で推移しており、今後も事業継続を断念するガソリンスタンドが次々と出てくるとみられます。

自動車保有台数が減少し利用者が少なくなればガソリンスタンドの売上げが減り、財務基盤が脆弱な業者から淘汰されるのは自然なことなのかもしれません。同業他社との値下げ争いで各社ともに疲弊しているのも現実です。
過去を振り返れば、2010年6月に改正された「危険物の規制に関する規則」の影響もあります。この規則により、40年以上前に埋められた貯蓄用地下タンクは腐食防止措置を施さなければならなくなりました。ガソリンスタンドは、高度成長期に建てられものが多いです。つまり、外装をリニューアルしたり、経営会社が変わったりしても、埋まっているタンクは開業当初のものを使っており、改修の必要に迫られたということです。

全国に給油所は、2015年度末時点で3万2333カ所存在しているそうです(資源エネルギー庁調べ)。この数字は、ピーク時の約半数です。
倒産や廃業がこのまま増加していけば、一つの地域にガソリンスタンドが1つもない“ガソリンスタンド空白地帯”がさらに増えると想定されます。政府は、“空白地帯”予備軍を「ガソリン供給不安地域」と位置づけています。また、域内にガソリンスタンドが3カ所以下の自治体は265/1719市町村となっています(平成26年3月末時点、経済産業省調べ)。今後、これらの市町村を中心として“空白地帯”が増えることが予想されています。ますますドライバーが不便な思いを強いられそうです。

 

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