転職サイトの実力はいかに
転職活動をする際に一般的となっている手法は、転職サイトへの登録・転職エージェントとの契約です。なぜ、転職サイトを利用する必要があるかというと、求人には、当該企業がHP等で公開している公開求人と、HP等では公開せず転職サイト内のみでしか閲覧・応募することができない非公開求人が存在するからでしょう。しかも非公開求人の方が圧倒的に多いのです。例えば、某有名求人サイト情報によれば、某日付の公開求人は1万8914件、非公開求人は9万2474件となっており、非公開求人は公開求人の約5倍となっています。これでは転職サイトを使わざるを得ないと言えるでしょう。
さて、40代の転職環境をある転職サイトで検証していきたい。某日時点で検索対象となっている求人は、1万8224件。仮に東京都で働くとすると東京の求人は9029件。その中で、「社会人経験10年以上歓迎」の求人は883件。「年齢不問」の求人に絞り込むと、わずか83件にまで減少してしまいます。
なぜこういった検索をしなければならないかというと、多くの求人のなかには「社会人経験5年程度まで」「第二新卒歓迎!」「30歳(35歳)前後の方が多く働いています」という文言が並んでいます。さらに、「求人票の条件に年齢が明記していなくても、年齢で足切りをしている企業は多いです。年齢不問と書いていない求人以外は、“裏”に年齢条件があると思っていただいた方がよいと思います」と転職エージェントのBさんは言っています。「(賃金の大幅減少など)不利益を生じない転職を望むのであれば、異業種への転職では30代前半、同業種への転職でも35歳前後がデッドラインでしょう」と続けます。
氷河期時代が続く40代
もちろん、40代で転職が成功しないわけではありません。「他者が保有していないような専門的スキル」「ビジネスレベル英語力」「マネジメント経験」というキーワードをクリアしていれば、転職可能ということです。もちろん、これらの条件がどれだけハードルが高いものかは、自身に照らし合わせてみれば分かると思います。
『残念ながら今回はご希望に沿えない結果となりましたが、貴殿の今後のご活躍をお祈り申し上げます。』これは、学生が新卒採用選考に落ちた際に届く通称“お祈りメール”の例です。活躍を祈られているだけ、中途採用選考よりマシかもしれません。
『先日ご応募いただいた企業の書類選考結果をお伝えさせていただきます。大変恐れ入りますが今回はご期待に添えない結果となりました。ご了承くださいますようお願い申し上げます。』『選考の結果、大変残念ながら今回は、次の選考にお進み頂けない結果となりました。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。』中途採用選考は祈られもしないのです。現在、第二新卒を除く転職希望者において、書類審査の通過率は、同業種への転職で3割程度、異業種への転職で1~2割と言われています。つまり、スペシャリストではない40代に対してはこのようなメールが大量に届いてしまうのが現状です。