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ゆとり世代VSコーチング

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「“教えてもらうのが当たり前”と思っている新入社員が今年は一層多い」と、多くの人事担当者が口を揃えます。「俺の背中を見て育て!」「先輩の真似をしろ!」は、もはや通用しない世の中になってきているということでしょう。一方的なティーチングが成立しないのであれば、コーチングの登場になります。

ティーチングは、小学校の先生と生徒の関係に例えられます。圧倒的な知識と経験を持つ人物が、一方的にスキル、ノウハウを伝授する育成法で、業務知識・経験が全くない新入社員に対してティーチングをすることは、極めて有効です。しかし、入社当初だけではなく、2年も3年もこの手法を取ると、どうなるか・・・・

  • 若手社員が思考停止する
  • 若手社員がやらされていると感じながらつまらなく仕事をする

など、若手社員の早期離職につながるケースも少なくありません。

そこで、コーチングです。職場におけるコーチングとは、『上司と部下の信頼関係を前提として、部下が自分で考えて行動する能力を、上司が対話を通じて引き出す育成法』です。もう少し狭義で言えば、『部下の思いや考えを明確にするために上司が実施する質問技術』のことを指します。『会話を通した部下指導法』とも言えるでしょう。

コーチングの代表的な会話モデルにGROWモデルがあります。GROWは成長するという意味であるとともに、コーチングの基本的なプロセスを示す下記キーワードの頭文字を並べたものとなっており、この順番で質問・確認していけば、コーチング初心者でも、うまく部下を導くことができるというものです。

  • Goal:目標・目的の設定・明確化
  • Reality:現状の把握・明確化
  • Resource:資源の発見
  • Options:選択肢の創造
  • Will:目標達成の意志

まずは、目標の明確化(Goal)です。自分が望む状態を目標としてゴール設定します。「その行動は何のためにしていますか?」「あなたの手に入れたいものは何ですか?」といった質問がそれにあたります。そして次に現状認識(Reality)です。目標と現状の差、すなわちギャップがそのまま課題となります。目標と現状を正確に把握することで、目標達成のために必要となる行動が明確化されます。

そして、目標達成のために使える資源(Resource)探します。「これまでの成功事例で、この課題に応用できることはありますか?」「本件について、あなたを援助してくれる可能性がある人はいますか?」など。さらには、選択肢(Options)も提示します。できれば、3つ以上の選択肢を提示するべきだと言われています。選択肢がない(少ない)と、人はやらされていると感じてしまいます。できるだけ多くの選択肢を提示して、部下に自主的に選んでもらいます。「相手の立場に立って考えてみると、どうしてほしいと思うでしょうか?」などと、視野を広げるような質問をすることも重要でしょう。

最終的には、部下が自分の行動を自分で決めるように導きます。もちろん、いつ、誰と、どのように行動するか確認します。最初に何をするのか、進捗確認はするのかしないのか。コミットメントです。

“ゆとり世代”の社会人教育にお困りでしたら、まずこのGROWモデルをお試しいただくと良いかもしれません。自ら動くことが少ない世代と言われていますが、吸収力がある世代なので、GROWモデルは響きます。





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