X
    Categories: 制度

「住宅ローン0円住宅」の今

「住宅ローン0円住宅」、一戸建てを“実質負担額0円”で購入することができる・・・ケータイ電話キャリア各社が打ち出しているような住宅購入プランが、電力会社による再生エネルギー買取契約手続き中断を受け、実質的に破綻しました。

この「住宅ローン0円住宅」は、従来からある太陽光パネルを屋根に設置し、住宅ローン負担を低減する手法ではなく、住居の屋根だけではなく、ガレージの上、門の上、庭の空いている箇所など所有する土地のなかで考え得る場所全てに太陽光パネルを設置し、月々のローン返済額と売電収入をイコールにしてしまおうというものでした。ある「住宅ローン0円住宅」を手がける建設業者の試算によると、20kwの太陽光発電システムを設置すれば、固定買取価格が32円だとしても、20年間で1500万円程度、月々に直すと7万円程度の売電収入を得られるといいます。土地から購入するとなると地方でも厳しいものがありますが、上物だけであれば十分計算できる金額でだったのです。

当然、より多くの売電収入を得るためには、日照時間が長く、日射量が多いことが必要です。その条件を満たす、九州エリアや、太平洋に面した地域で「住宅ローン0円住宅」は2010年代前半、大きく躍進しました。
しかし、その後、“想定の範囲内”というべき電力会社の決定を受け、「住宅ローン0円住宅」の営業が最も積極的に展開されていた九州エリアでは、引き渡し拒否や、契約取り消し要求といったトラブルが多発しました。そして、経済産業省が再生エネルギー固定買い取り制度自体を見直す議論を本格的に始めたことで、すでに入居している人の将来設計まで狂わす可能性が出てきました。「住宅ローン0円住宅は低所得者層に売れている」(九州の業界関係者)と言うことからも、制度見直しにより建設会社の営業戦略に影響を与えるばかりか、マイホームを手放さざるを得なくなる消費者が次々と出てくることが想定されています。

ウマい話には必ずリスクがつきものです。

 

失敗しない就職活動の第一歩は、できるだけ多くの人から話を聴くこと・・・
ビズリーチ・キャンパスは「同じ大学出身の先輩に話を聞けるOB/OG訪問サイト」です。
将来のことを考え始めるタイミングで、母校の気になる先輩に話を聞いてみませんか。

mio.kawana :