X
    Categories: 危ない会社

”格安”のしわ寄せは、サービス?従業員?

“格安”の海外旅行パックを売りにしていた旅行会社てるみくらぶが破産しました。一般旅行者に対する債務は約3万6,000人に対して100億円以上とみられており、今後、入金済み旅行者を中心として混乱は一層広がりそうです。同社は日本旅行業協会の会員ですので、一部供託金からの返金も見込めますが、100億円以上という額から想定しても全額返金の円満解決とはいかなそうです。

ここで注目しておきたいのは、同社が扱っていたものが“格安”という枕詞がつくサービスだということです。同業他社と比べ、また一般的な感覚と比較して明らかに低価格でサービスを提供していたということです。

市場経済においては、“適正価格”というものが存在します。その価格を大幅に下回る金額でサービスが提供されている場合、何か理由が必ず存在します。企業側が表面的にコメントする場合、「企業努力の結果」という一言で済ませますが、その理由は様々です。

「大量購入によるコスト削減」「流通経路短縮によるコスト削減」など前向きなものであればよいですが、なかには「人件費削減」「材料の質を落とす」といったネガティブな理由もあります。また、“格安”をウリにしていた企業の倒産も相次いでいます。倒産のリスクもあります。

    • LCCのスカイマーク株式会社
    • 格安家具通販の株式会社ヒット・インテリア
    • 格安リサイクル用品販売の 株式会社アシスト

“格安”戦略が悪いわけではありません。安くできる合理的な理由があれば、むしろ良い戦略です。

ただし、就職活動中のみなさまに希望企業が、“格安”ビジネスを展開する企業であった場合、しっかりと企業研究をする必要があります。実際に働いている人から話を聴くのが一番ですが、そこまでできなくても、面接で「なぜ“格安”で提供できるのですか?」と聞いてみましょう。「企業努力です」と答える企業は・・・。

“格安”を提供する一番安易な方法は、従業員の労働条件・環境を“格安”にすることです。

mio.kawana :