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    Categories: 人材開発新入社員

管理職になるためには?!

産業能率大学が公表した「上場企業の課長に対する実態調査」によると、管理職がマネジメント業務だけではなくプレイヤー業務も行っている、いわゆるプレイングマネージャーの割合が99%を超えているとのことです。しかも、管理職一人あたりの部下の数は、10名以上となっています。背景には、人件費削減等を理由とした“管理職ポスト”の削減があります。2008年のリーマン・ショック以降、この傾向が強くなっていると感じています。“重役出勤”という言葉はもはや死語。会社組織の中では、上位職ほどハードに働くという時代が到来しています。

各メディアが実施してる新入社員アンケートによると「管理職にはなりたくない」「専門性を高めたい」という声が年々多くなっているのも、こうした管理職のハードワークを懸念したものかもしれません。
とはいえ、給与や社内の立場、就業条件を向上していくためには、「管理職になる」という選択肢を避けては通れません。「世界に通用する技術を持っている」と自信を持って言える専門職の方以外は、現在の日本社会において、専門職が管理職より優遇されるということはありません。では、このこの現代において、どのように管理職を目指せばよいでしょうか。

  1. プレイヤーとしての能力の確立、卓越した能力を身につけること
  2. プレイヤーからマネージャーへの視点変更、ジョブチェンジというほどのパラダイムシフトの実践

1.プレイヤーとしての能力の確立
99%がプレイングマネージャーですから、プレイヤーとしての力量がない管理職には部下は付いてきません。新聞を読みながら、お茶を飲みながら、部下に指示を出すという管理職像はもはや存在しないのです。個人としての実績を出すことにより、ようやく部下が話を聴き、支持に従うのです。
また、時間的な問題もあります。管理職になった際にマネジメントだけすればよいのであれば問題ないのですが、おそらく、これまでやってきた業務はほぼそのまま遂行したうえで、マネジメント業務も行わなければならなくなります。つまり、時間的な余裕が全くなくなるのです。時間は有限です。ですから、今まで1日8時間行っていたプレイヤー業務を6時間で終わらせ、残り2時間を部下管理のために使う・・・ということが必要になります。圧倒的なプレイヤー業務遂行能力が求められます。

2.プレイヤーからマネージャーへの視点変更
プレイングマネージャーになるとはいえ、マネジメント業務を蔑ろにすることはできません。プレイヤー業務を評価され、その後も期待されてマネージャーになるわけですから、不慣れでも管理職としての視点を身につけていかなければなりません。部分最適から全体最適へ個人中心から組織中心へ。マネジメント業務は会社が発展していくうえで必要不可欠なものです。このパラダイムシフトができないようでは、さらなる上級管理職に昇格することはできない可能性が高くなります。

こういった管理職を目指すプロセスは、当然、自分自身の成長につながります。
いきなり「専門職希望!」ではなく、まずは管理職を目指してみてはいかがでしょうか。

mio.kawana :