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定年延びるも給与激減の現実

投稿日:2017-05-21 更新日:

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改正高年齢者雇用安定法が施行されてしばらくたちますが、当初の想定通りサラリーマンにとってマイナスに働いている企業が散見されるようになりました。

同法は、事業主に定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置を講じることを義務付けている法律です。継続雇用を希望する雇用者に対し、事業者は65歳まで雇用し続けなければならなくなっています。年金の支給額が最終的に65歳からとなることに合わせ、無収入期間を作らないようにと法整備したものです。

一見、サラリーマンにとっては非常にありがたい法律かと思いきや、実はそうではありません。継続雇用を希望する雇用者に対する給与の支払い原資を確保すべく、“役職定年制度”の導入が一般的になってきました。
某有名企業では、2012年から役職定年制度を導入しました。年齢的に、一番早く役職定年をむかえるのは課長クラスで53歳。部長クラスでも57歳になれば、給与が大幅に減少します。また、55歳に階級関係なく一斉に役職定年をむかえるという制度を導入した企業もあります。どの企業をみても、一月あたり20~30万円の給与ダウンは必至となっており、最悪の場合、年収が半分程度になるように設定されているのが現実です。

改正高年齢者雇用安定法の施行により、企業は、2013年4月以降60歳をむかえる雇用者の継続雇用義務が生じています。今までは継続雇用するか否かをその雇用者の能力等によって費用対効果を計算しつつ選別できていましたが、今は選別ができなくなっています。また、年金受給年齢の引き上げに伴い、今後はこれまで以上に継続雇用を希望する雇用者が増加すると想定されています。そこで企業側が考えたのが、この役職定年制度導入ということです。役職定年を設定することにより、本来55歳から60歳で支払う給与を、55歳から65歳で支払うといったイメージです。

ただし、先ほどの某有名企業の例で言えば、役職定年を導入したものの「海外赴任者を除く」と例外があることを明文化しています。他では「会社が必要と判断する人材を除く」と明記されている企業もあります。つまり、役職定年を設定したと言っても全社員が対象ではなく、企業の「“使えない人材”を50代半ばから排除する方針」が見え隠れします。結局のところ、生活水準等、社会的格差が一層進む可能性が高い・・・といったところでしょうか。





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