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    Categories: 人材開発

人材を人財と呼ぶ会社は従業員教育熱心だが・・・

「資格試験に合格する」ではなく、自己啓発としてビジネスパーソンは学習する必要があるのでしょうか。大会社だと、人材開発部とか教育部と名言って従業員教育を進めるセクションが存在します。中小企業でも、経営者が“じんざい”を“人材”ではなく、“人財”と呼ぶ会社ほど、従業員教育に熱心です。なかには、“人彩”と呼んでますます力を入れる会社もあります。

自己啓発としての学習自体を否定する人はいないでしょうが、日々忙しく業務に追われる中で、そもそも、大人(ビジネスパーソン)は学習するのでしょうか。

 

経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本では30歳を境に学習する人が大幅に減少するそうです。一方で、働きながらも学習を続ける国もあります。フィンランドです。これは、フィンランドの教育制度の3つの特徴が影響していると考えられています。

  1. 自ら考えるクセをつける:自分自身で課題を考え解決策を導くことができる
  2. 学習と職業が密接に結びついている:自ら興味を持った職業に就くために学習がどう生かせるかを意識できる
  3. いつでも学べる環境がある:関心を持つ道を自分で決められる

大人の学習・・・これは学術的には「アンドラゴジー」と呼ばれています。なお、子供の学習は「ペタゴジー」です。

「アンドラゴジー」は、アメリカのマルカム・ノールズによって提唱されました。そして、4つの特徴があります。

  1. 自己決定的:自分で学ぶ内容を決めること
  2. 経験に基づく:経験を通して行われ、日常業務にどう応用できるかによって促進される
  3. レディネスは仕事上の関心事:仕事上の解決すべき課題に対応するべく、学習をスタートする
  4. 課題を解決する:直面する仕事上の問題・課題に取り組む能力を向上させるプロセス

 

これらは学術的な理想論ともいえるかもしれません。日本の会社で、従業員教育に力を入れている会社で、これらの仕組み・文化が整っている会社は、残念ながらほとんどないと想定されます。OECDの調査がそれを物語っています。

「アンドラゴジー」の“自己決定的”ですら、会社においては、何を学ぶか等”自己決定を強いられる”ケースも少なくありません。強いられたのであれば、表面的には、人事制度的には、体をなしているかもしれませんが、それは自己決定ではなく、強制です。強制であれば、学習に対するモチベーションは上がりません。大人の学習は非常に難しく、そう簡単に従業員が動かないのが現実です。

mio.kawana :