就職JYOHO,tenshoku情報

就職・転職の成功は正しい情報入手から < Kawa navi >

人事部 人材開発

ジョブローテーションは必要か?!

投稿日:

このエントリーをはてなブックマークに追加

年の変わり目、年度の変わり目にジョブローテーションを行う企業は多い。ジョブローテーションをいうと、単なる配置転換と捉える方も多いと思いますが、ジョブローテーションの本質は社員の所属部門を動かすということではなく、企業の人材育成計画に基づいた人事戦略、戦略的人事異動でなければなりません。しかし、残念なことに、当初、ジョブローテーションを導入した担当者の思いは戦略的人事異動だったとしても、時が経つにつれ、担当者自身の入れ替わりを経て、単なる“風物詩”となっている会社が非常に多いのです。部門長からすると、「新年度になるから、誰かうちの部署から出さないとな~」といったところです。

そもそも、ジョブローテーションは、終身雇用を前提とした企業内においてゼネラリストを育成しようとする日本ならではのシステムです。会社内の各部署で様々な業務を経験し、歳を重ねると同時に経営幹部に近づいていくというものです。ですから、昨今のように転職市場が活発化し、人材の流動性が高まってくると、機能しなくなるシステムと言えるかもしれません。

ジョブローテーションには、これを実施することによるメリットとデメリットがあります。
メリットとしては・・・
・多様な業務を経験するので、適材適所を把握し配置することができる
・複数の部門を経験するので、視野の拡大やより高い視座の獲得が期待できる
・様々な人と交わることで、企業内のコミュニケーションが円滑になる
・マンネリ化を防ぎ、従業員満足度向上や離職率の低下が期待できる

一方、デメリットとしては・・・
・一定期間で異動となるため、スペシャリストの育成が困難となる
・異動後は一時的に業務スキルが低下し、生産性が低下する
・希望しない異動により、当該社員のモチベーションを下げる可能性がある
・給与体系が職種によって異なる場合、導入にハードルがある

終身雇用という前提が崩れつつある今、ジョブローテーションの必要性が低下しているのは間違いありません。デメリットばかりが目についてしまうような会社も出てきています。
そのため、現在ではジョブローテーションに変わって、新規事業などの要員について希望者を募る「社内公募制度」(求人型)や、社員自らがキャリアやスキルに基づき異動を希望する「社内FA制度」(求職型)を取り入れる企業が増えてきています。どの制度を利用するにせよ、社員のモチベーションを維持しつつ、幹部候補者を選定、育成するというかじ取りを経営層、人事部門はしていかなければなりません。









-人事部, 人材開発

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

忙しい現代人のスナックラーニング

みなさまはどのような手段を用いて、知識のインプットを行っているでしょうか?テレビのニュースを見たり、インターネットで検索したり、本や新聞を読んだり・・・。人から聞いて学ぶ、もしくは体験して学ぶことも多 …

人事部メンバーが退職する会社は・・・

クライアント企業の担当者は、経営者のこともあれば、人事部長のこともあります。彼らのお悩みの一つが、社員がやめてしまうこと。なので、人事部のミッションには、必ずと言っていいほど「社員の流出を防ぐ」「定着 …

アイデア出しが苦手なあなたへ

ビジネスでもプライベートでも、アイデアを出さなければならなくなった時、どうしていますか? 多くの人は、PCを立ち上げ、ブラウザの検索窓に、関連すると思われる単語を入力して、エンターキーを押すのではない …

ファクトベース思考、仮説思考、ゼロベース思考

環境の移り変わり、時代の移り変わりが激しい中で、ビジネスにおいてだけではないですが、様々な場面で色々な判断を迫られます。その時、みなさまはどのようなプロセスを持って判断を下しているでしょうか。一瞬で判 …

OJTは誰のため?新入社員?

「On The Job Training」、つまり「OJT」は、現在、多くの企業で取り組まれている、現場における部下や後輩に対する指導のことです。といっても、「OJT」の明確なプログラムを保有している …

気になる企業名を入力してください。

倒産,ブラック,不祥事,行政処分,代表逮捕…
気になる企業名を入力してください ↓

気になる企業名を入力

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。