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誰にでも起こるメンタルヘルス不調

投稿日:2017-10-11 更新日:

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改正労働安全衛生法に基づき、2015年12月に「ストレスチェック制度」がスタートしたこともあり、近年、メンタルヘルスケアがより一層注目されています。メンタルヘルスケアは、3段階あります。

  • 1次予防:元気な人も対象とするセルフケア
  • 2次予防:メンタルヘルス不調予備軍に対するラインケア(早期発見・対応)
  • 3次予防:疾病者に対する再発防止

従来、メンタルヘルス不調とは、職場の過重労働により影響が大きいとされていたため、休暇を与えたり、時には投薬治療をすることによって改善されると思われていました。しかし、2000年代に入り、自殺者やうつ病の疾病者が減少しなかったことから、それだけではこの問題は解決しないということが判明しました。
現在のメンタルヘルス不調に対する考え方は、「弱い人の病気」ではなく、「誰にでも起きうる病気」という認識が広がってきました。その結果、「職場で通常想定される範囲内のストレス」でメンタルヘルス不調を訴える従業員が出てくるという問題も発生しています。つまり、だれがメンタルヘルス不調に陥っているのか判断が付きづらいということです。

「アブセンティーズム」という言葉があります。これは、従業員が病欠、病気休業している状態を指します。こちらはわかりやすい。「プレゼンティーズム」という言葉もあります。これは、従業員が何らかの疾病や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や労働生産性が低下している状態を指します。こちらはわかりにくい。企業の生産性を低下させる原因の一つとして、プレゼンティーズムに陥っている従業員の存在があげられます。

では、「職場で通常想定される範囲内のストレス」で発症するメンタルヘルス不調者に対して、どのような対策が取れるのでしょうか。現在の取り組みとしては「配慮/成長」「事後/予防」の2軸で考えることが多くなっています。多くの企業で行われているメンタルヘルスケアは、「事後配慮型」または「事後成長型」であり、予防というよりは、早期発見です。

そこで、予防型、つまり「ストレス耐性の高い人材・組織作り」が求められています。この具体的な方法が「SOC=Sense Of Coherence」です。「首尾一貫感覚」「困難を乗り越える力」とも言われており、元々は医療社会学者アーロン・アントノフスキーが解明した考え方です。SOCでは、3つの感覚を高めることが重要です。

  1. 把握可能感:「わかる感」を高める取り組み
  2. 処理可能感:「できる感」を高める取り組み
  3. 有意味感:「やるぞ感」を高める取り組み

組織として、このSOCを高めると取り組みを実施することによって、メンタルヘルス不調者を減少させるだけではなく、「プレゼンティーズム」に陥る従業員も減少させることができるのです。これが、最新のメンタルヘルスケアの取り組みと言えるでしょう。

 

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